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枝豆の品種は何種類?珍しい品種は?産地や種類をわかりやすく解説します

2023年09月19日

日本の夏の風物詩といえば鮮やかな緑の枝豆を思い浮かべるかもしれません。

日本国内で栽培されている枝豆の品種は400種類にも及びます。

今回は枝豆の基本知識や代表的な産地と種類、希少価値が高い3つの地場品種について紹介します。

枝豆の品種は何種類?珍しい品種は?産地や種類をわかりやすく解説します

枝豆の基本知識

枝豆は完熟する前の大豆を収穫した野菜です。

未成熟の大豆を食用にした正確な時期は不明ですが、奈良時代や平安時代には食べる文化が確立していたのではないかといわれています。

江戸時代には、夏になると「枝豆売り」の姿があったと記録されています。

当時は枝についたまま豆をゆでて販売されていたようです。

枝豆は豆と野菜の両方の栄養素を持つ緑黄色野菜です。

タンパク質、ビタミンB1・B2、カルシウム、食物繊維、鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。

枝豆の胚芽部分に含まれるイソフラボンはポリフェノールの一種で、肌のハリやつやを保ったり、しわやたるみの改善といった美肌効果が期待できるとされます。

また、タンパク質中に含まれるメチオニンは肝臓でアルコールを分解するときに必要な成分で、二日酔い対策の薬にも含まれている物質です。

さらに、枝豆に含まれるカリウムが高血圧予防やむくみ解消の効果を発揮します。

枝豆の産地

枝豆は北海道から沖縄まで日本全国で栽培されています。

作付面積が大きいのは新潟県や山形県、群馬県、北海道、秋田県、千葉県などです。

出荷時期は6月から9月に集中しています。

枝豆の需要が7月から8月に増加することを考慮すると、典型的な夏野菜といってよいでしょう。

枝豆の3つの種類

枝豆は青豆(白毛豆)、茶豆、黒豆の3種類に分けられます。

それぞれの特徴を見てみましょう。

青豆

最もポピュラーな枝豆は青豆で、白毛豆ともいいます。

鮮やかな緑色、白い産毛、1つのサヤに2〜3粒入っているなど、私たちがイメージする枝豆そのものといってよいでしょう。

千葉県や北海道で多く栽培されますが、全国的に最も広く栽培されている種類です。

クセがなくシンプルな味わいであるため万人受けするのが特徴です。

茶豆

茶豆は主に東北地方でつくられている枝豆です。

色合いは青豆に比べると薄く、茶色味を帯びています。

香りの強さや甘みが特徴で1つのサヤに2粒であることが多く、3粒入っているものはあまりありません。

茹でたときに強い香りを発するのが特徴です。

収穫時期は8月上旬から9月にかけてで、青豆よりもやや遅い時期です。

黒豆

関西地方で多く栽培されているのが黒豆です。

知名度でいえば京都府の丹波地方で栽培されている丹波黒豆が有名ですが、黒豆自体は関西地方でよく栽培されています。

正月料理で使用する黒豆を成熟する前に収穫したもので、サヤ内の薄皮がうっすらと黒みを帯びています。

9月下旬から10月中旬にかけて収穫されます。

他の枝豆よりも生産量が少なく、市場に流通しにくいためあまり見かけないかもしれません。

希少性の高い地場品種

枝豆の中には地域限定の在来品種があります。

こうした品種は出荷量が少ないため希少価値が高く人気があります。

今回は青森県津軽地方の毛豆、山形県鶴岡地方のだだちゃ豆、兵庫県丹波地方の丹波篠山黒大豆の3品種を紹介します。

毛豆

毛豆は青森県西部の津軽地方で栽培されている在来品種です。

サヤに茶褐色の毛が生えているため毛豆と呼ばれるようになったといいます。

一般的な青豆と比べると色が薄いため、正直なところ見栄えはしません。

しかし、豆の粒が大きく味が濃厚です。

栗のようだともたとえられますが、甘みが強いのが特徴です。

9月下旬から10月上旬にかけて収穫されます。

だだちゃ豆

だだちゃ豆の産地は山形県の庄内地方です。

庄内地方は山形県の中でも比較的海に近い地域ですが、だだちゃ豆は庄内地方南部の鶴岡市周辺で栽培されています。

「だだちゃ」は庄内地方の方言で「お父さん」「親父」を意味する言葉です。

藩主に豆を献上したところ、味がおいしかったので藩主が「どのだだちゃが作った豆か」と尋ねたことに由来するという説があります。

津軽地方の毛豆と同じく、あまり見栄えはよくありません。

しかし、豆独特の甘味が凝縮されたような味が非常に濃厚です。

8月中旬から9月上旬にかけて収穫されます。

丹波篠山黒大豆

丹波とは、現在の京都府から兵庫県にまたがって存在していた旧国名です。

丹波地方は黒豆の産地として有名ですが、丹波篠山黒大豆は篠山市周辺で栽培されている枝豆に限られます。

丹波黒大豆、ぶどう豆とも呼ばれ、ブランド豆として名をはせてきました。

10月中の2~3週間の間しか食べられないため「幻の枝豆」ともよばれています。

上旬の豆はきれいな緑色をしていますが、時期が遅くなればなるほど色が薄くなり、10月下旬の豆は紫がかった色に変化します。

フレッシュな味わいが好みなら上旬、濃厚な甘みを味わいたいなら下旬のものがおすすめです。

まとめ

今回は枝豆の品種についてまとめました。

枝豆は日本の夏の風物詩ですが、栽培されている品種が400種類もあるのに驚きました。

しかも、全国各地にある在来品種の中にはブランド豆もあり、バリエーション豊富だということもわかりました。

ふるさと納税の返礼品として枝豆を出している自治体も数多くありますので、気になる方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。